「エクセルとワードさえ使えればいい」の罠
鹿児島県薩摩川内市のパソコン販売・修理・サポートショップ「パソどん」です!
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「なんでもいいよ。WORDとEXCELさえ使えればいいから!」
中古パソコンをお求めのお客様の多くが口にされるセリフです。意図としては「パソコンに多くを求めてるわけではないよ」「安いのでいいんだよ」といったところだと思います。しかし、このセリフに頭を抱える中古パソコン販売店は非常に多いと思います(笑)
なぜか?ではどうすればいい?をこの記事で解説します。
エクセルとワードは高額なソフトウェア
まず、マイクロソフトのエクセル(Excel)とワード(Word)は、決して安価ではないという事実があります。
正規のライセンスを購入する場合、永続版の個人向けOffice 2024 Homeなら3万円以上。Microsoft 365サブスクリプションの場合は年間1万円かかります。オフィス付きで中古パソコンを購入しようと思うと、とても安くは購入できないということがお分かりいただけると思います。日本では「ワード、エクセルはPCについてくるもの」という認識が定着してしまっているため、新品のPCには必ずと言っていいほどofficeが付いてきますが、「office代」は当然PCの価格に上乗せされています。中古PCの場合も考え方は同じで、オフィス付属となると、その分の価格がPC本体の価格に上乗せされる形になる・・・はずなのです。
不正ライセンス品に注意
前項のような話をすると、「でも、ネットでオフィス付きのPCが安く売られているのを見たよ!」と反論されることもしばしばあります。残念ながら、中古市場には、不正なライセンスを利用したオフィス入りPCが非常に多く出回っています。
中古PC向けに、単品よりも若干安価な正規ライセンスが用意されてはいますが、それでもこの価格は絶対ありえません。正規品なら間違いなく大赤字です。
不正なライセンスの仕入れ値はほぼ0円。よって、PC本体のみの価格でオフィス付きとして販売できるわけです。それならこの価格もありえます。おおむね、「3万円以下なのにOffice2021/2019などがついている」場合、不正ライセンスの可能性が高いため、注意が必要です。(高ければ正規品というわけではありません)
「不正でも正規品と変わりなく使えればいいじゃないか」という方もいらっしゃるかもしれませんが、使用することで法的な問題に巻き込まれる可能性があります。また、正規品ではないので、数か月も経てばライセンスが解除され、突然使えなくなることがほとんどです(当店でもしばしば「ネットで買ったパソコンで急にワードが使えなくなった!」と相談を受けます)。不正なofficeを使用することで、セキュリティリスクが高まることもあります。例えば、マルウェアやウイルスが仕込まれている可能性があったり、不正流用されたアカウントが使用されていることで、個人情報の漏洩やデータの破損といったリスクが伴います。
WORD,EXCELに拘る必要がありますか?
「でもソフトに3万も出せないよ」というお気持ちはよくわかります。私もそうです。しかし、高いお金を払ってWORD、EXCELを使う以外にも選択肢はあります。
1.互換ソフトを使用する
表計算ソフト、ワープロソフトはEXCEL、WORDだけではありません。EXCEL、WORDと同等の基本機能と、互換性(WORD,EXCEL形式のファイルを開いたり編集したり作成したりできる)を持つソフトが無料~数千円であります。例えば、有料ソフトならWPS Office2,Polarisofficeなどは家電量販店でも数千円で簡単に買えますし、無料のLibreOfficeも無料とは思えない高機能なソフトです。
実は、当店でもマニュアルや資料の作成にはWPS Office2を活用しており、何ら不便を感じていません。
2.Microsoft 365 for the web を使用する
どうしてもMicrosoftのOfficeが使いたい!という方には、実は無料のMicrosoft Officeがあります。それがマイクロソフトアカウントとインターネット環境さえあれば使えるMicrosoft 365 for the web です。この「Web版Office」で作成・編集したファイルの保存先はOneDriveのみとなりますが、「Word、Excel、PowerPointの新規ファイル作成・閲覧・編集」「OneDrive上のファイル読み出し・保存」「他ユーザーとのデータ共有・共同編集」が可能です。有料版と比べると制限はありますが、どうしてもMicrosoftのWORD、EXCELが使いたいという方には選択肢の一つとなるでしょう。
まとめ:不正品には手を出さず、ほかの選択肢もご検討を!
以上のように、高いMS Officeにこだわらなくても、互換Officeを使用するなどの選択肢があります。
確かにMS Office付のPCが安く手に入るのは魅力的ですが、不正なものだから安く手に入るだけであって、前述のような様々なリスクが伴います。また、何より「そんなPCを販売するような業者からPCを買うのは、本当に良い選択肢なのか?」というのも一度考えていただきたいところです。