“壁の中のタコ足配線”にご注意!ゲーミングPCを安定動作させよう!
自宅でPCを使っているとき、特にゲーム中や作業中に突然電源が落ちるといった経験はありませんか?その原因としてよくあげられるのが、「たこ足配線」。
「たこ足配線やめたのに何も改善しない!」という方、いらっしゃいますか?
もしかしたら、その原因は自宅の電気配線の構造と、意識していなかった「許容電流の罠」にあるかもしれません。
この記事では、一般家庭の電気の仕組みと、PCの安定動作を妨げる電力のトラブルについて解説します。
なぜ宅内の電圧は100Vを切ることがあるのか?
日本の家庭の標準電圧は100Vですが、電気事業法で±6V以内(94V〜106V)の変動が許容されています。
- 頻繁ではないが、低電圧は発生する: 地域全体の電力使用が集中する時間帯や、自宅で大電力機器を同時に使うと、送電線や宅内の配線に負荷がかかり、一時的に100Vを下回ることがあります。
- PCへの影響: PC、特に高性能な機種は、この電圧の不安定さ(電圧降下)に非常に敏感です。瞬間的に電圧が低下すると、PCの電源ユニットが不安定になり、部品保護のために強制的にシャットダウンすることがあります。
「壁の中のたこ足配線」が潜む危険
多くの方が勘違いしがちですが、壁にあるコンセントはほとんどの場合独立していません。
一般住宅では、分電盤の一つの分岐ブレーカー(安全ブレーカー)から出た電線が、壁の中で枝分かれし、複数のコンセントに繋がっています。これは、「壁の中でたこ足配線をしている」のと実質的に同じ状態なので、大きな電力を使う機器が複数つながっていると、問題が起こる場合があります。
| 項目 | 一般的な許容電流 | 許容電力(100V時) | 許容を超えると? |
| 回路全体(ブレーカー) | 20A | 2,000W | ブレーカーが落ちる。落ちなくとも、一つの回路内で多くの電力が使用されると電圧が不安定に |
| コンセント(差込口) | 15A | 1,500W | コンセントやコードが発熱し火災のリスクが高まる。電圧が不安定になる。 |
すぐ20Aオーバー?!大電力機器にご用心
電子レンジ (15A) や 電気ケトル (10A)、ドライヤー (12A)、エアコン (最大20A) といった機器は、単独で多くの電流を消費します。
例えば、PC(約3A〜7A)を使用中に、同じ回路で電子レンジを同時に使った場合、合計電流は20A程度に達する場合があります。ブレーカーが落ちる手前の、ギリギリの不安定な状態こそが、PCの突然のシャットダウンを引き起こす原因となりえるのです。
PCの安定稼働のために今すぐできること
PCが突然落ちる問題を解決するには、電源環境の安定が不可欠です。
- 専用回路の使用を検討する:
- PCを繋ぐコンセントが、他の大電力機器(電子レンジやホットカーペットなど)と回路を共有していないかを確認しましょう。理想は、PC専用の回路として確保することです。電子レンジやホットカーペットは瞬間的な電圧降下があっても大きな問題にはなりませんが、PCの場合は「落ち」ます!
- 大電力機器の分散配置:
- 同じブレーカーに繋がっているコンセント同士で、大電力機器を同時に使わないようにしましょう。
- 電源ユニット(PSU)のチェック:
- PC側の電源ユニットが、PC全体の最大消費電力に対して十分な容量を持っているかを確認してください。特にグラフィックボードを高性能なものに交換した場合は要注意です。
- サージ・ノイズ対策:
- PCを保護するため、UPS(無停電電源装置)や高性能なサージプロテクタ付き電源タップの使用を検討することも有効です。
もし頻繁にPCが落ちる場合は、電源ユニットの故障などのハードウェアの問題も考えられますが、まずノーコストでできる「電源環境の安定」を見直してみましょう!
